2016年第5回目(最終)の遡上調査結果
アユのカウントが終了しましたので、第5回目の遡上調査結果を報告いたします。
前回同様、水路ではたまりがみられなかったので調査をせず、牛野谷堰本魚道と八幡堰魚道をビデオで撮影、牛野谷堰補助魚道を目視で確認しました。
・八幡堰魚道と牛野谷堰本魚道
牛野谷堰本魚道では、今まで期間中に増水している日が多かっため、流量が多く上れない個体が多かったため遡上はかなり少なかったですが、比較的流量が少なかった今回の調査で期間中の最大の遡上がありました(11,853尾/日)。
八幡堰は前回よりも多くなっていますが、ピーク時程ではありません。
・全地点の累計
牛野谷堰本魚道と八幡堰魚道、牛野谷堰補助魚道、水路の合計遡上数を示しました。点線部は調査をしていません。
4月下旬が今年のピークだったようです。
合計遡上数は約50万尾(推定した遡上数は速報値で、後に補正などを行って変更となる場合があります。)となり、平成24年度~28年度の5年間で2番目に多い年となりました。
今年の遡上調査は今回で終了とします。
今後は、その他の業務についてアップしていくかと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
2016年第3回、第4回目の遡上数調査結果
アユのカウントが終了しましたので、第3回目と第4回目の遡上調査結果を報告いたします。
前回同様、水路ではたまりがみられなかったので調査をせず、牛野谷堰本魚道と八幡堰魚道をビデオで撮影、牛野谷堰補助魚道を目視で確認しました。
・八幡堰魚道と牛野谷堰本魚道
3回目と4回目は、調査時に大きな降雨が重なり、カメラの設置できない日がありました。牛野谷堰の本魚道では、増水時には目視によるカウントを行いました。増水時にはかなり流量が増しているように見え、目視でカウントをしている時に押し戻されているアユを何尾も目撃しました。
牛野谷堰本魚道からは3回目と4回目では約1.1万尾の遡上しかありませんでしたが、八幡堰魚道からは17.5万尾の遡上があったと推定されました。
・補助魚道
4月後半と5月前半の補助魚道からの遡上はかなり多く、約12万尾の遡上があったと推定されました。今年は雨が多く、本魚道では流量が多くて上れないアユが、上りやすい補助魚道から遡上したのではないかと思っています。
・全地点の累計
点線部は連続して調査を行わなかった日を示しています。
4回目までで全地点から遡上したアユの数は約41万尾と推定されました。
5回目の調査は5月19日~5月27日に行う予定です。5回目の調査でほとんど遡上が見られなければ、今年度の遡上調査を終了します。
2016年第2回目の遡上数調査結果
4月10日~13日に行った2016年第2回目の遡上調査のカウントを終えましたので、結果を報告いたします。グラフの内容などが第1回目と異なってますのでご注意ください。
(予定では、4月7日~9日も行う予定でしたが、7日~8日は大雨による増水で設置できず、9日は、魚道に流木などが詰まっていたため調査が出来ませんでした。
また、9日は、予想以上に流木が魚道に詰まっており、1人だと1日じゃ終わらないなと思っていましたが、通りすがりの一般の方が手伝って下さり、なんとか昼までに終わらせることが出来ました。この場を借りて、ご協力下さった一般の方々に、厚くお礼申しあげます。)
今回は、牛野谷堰と八幡堰の両魚道と、水路、牛野谷堰補助魚道の4か所で調査を実施しました。
牛野谷と八幡背堰の魚道へのビデオの設置は10日~13日に、水路の撮影は10日と11日に、牛野谷堰補助魚道での目視観察は12日~15日に行いました。
水路では10日と11日で1尾も遡上が確認されず、また、私が確認した限りでは、ゲート下流でアユのたまりが見られなかったため(オイカワやウグイはいました。)水路での調査は終了としました。12日以降は、牛野谷堰補助魚道で目視による遡上調査を行いました。
まず、牛野谷堰と八幡堰の魚道の遡上数の結果を表1に示します。
表1.牛野谷堰魚道と八幡堰魚道の遡上数
両魚道の累計遡上数は約7万尾となりました。2回目も1回目の調査と同じく、牛野谷堰よりも八幡堰の魚道で遡上が多かったです。
続いて水路での結果を表2に示します。
表2. 水路の遡上数
水路での遡上数は10日と11日で0だったので、第1回目と変わらず累計は約1万7千尾です。また、前述の通り、遡上もたまりもみられなっかたので2016年度の水路での調査は終了としました。ですが、その後も目視による確認は継続するので、たまりがあれば調査を再開します。
次に、12日~15日に行った補助魚道での遡上数を表3にしめします。
表3.補助魚道の遡上数
累計で約2万尾となりましたが、調査が出来ていない4月9日~11日の間もかなりの遡上があったことがわかっております。現段階ではこの調査が出来ていない期間をどうするかは決めかねていますが、仮に12日と同じ位遡上したとすると、3日間で約5万尾と推定されます。これも含めると、補助魚道からは約7万尾の遡上があったかもしれません。
最後に、4地点の合計以下の図に示します。
図.全調査地点の累積遡上数の累積
点線部は調査をしていない日を示しています。
15日までの総遡上数は約10万尾となりました(補助魚道でにおける9日~11日の推定遡上数の5万尾を加えると15万尾になります。)。現在までで、昨年度の推定合計遡上数よりも多いですが、ピークは3回目か4回目の調査の時にくると思われるので、さらに多くの遡上があると思われます。
最後に、4月12日に補助魚道で目視調査を行った際に撮影したビデオをいくつか紹介いたします。
補助魚道の下部にある、堰下から上ってくるアユがたまるところをプールと呼んでおります。そこにたまっている遡上途中のアユ稚魚の群れを撮影しました。
補助魚道の水位がかなり浅く、遡上するアユの休憩場所が少ないので、錦川漁協の組合員さんのアイデアで竹を横方向におくと、その上にアユがたまり遡上の効率が上がりました。下の動画はアユがそこにたまっている時の映像です。
補助魚道上部にカメラを置き、遡上する様子を撮影しました。素早く通過する個体が多いので見難いかもしれません。
アユではないですが、補助魚道上部の湛水部に、オイカワ稚魚の大きな群れがずっといるので、ついでに撮影してみました。
次回の遡上数調査は20日~27日に行いますので、よろしくお願い致します。
八幡堰魚道のカワウ
今年度も八幡堰魚道に仕掛けたビデオにカワウが映っておりましたので、紹介させて頂きます。
カワウが現れると遡上したアユが猛スピードで下流に引き返し、しばらくは遡上がピタッと止みますが、数分後にはまたドンドン遡上を再開します。
同じアユがまた戻って遡上してきたのかはわかりませんが、下流に戻ったアユが警戒してのぼらなくなったとしても、そのアユは全体からするとほんの一握りです。
動画は6分とちょっとながめなので、カワウがよく映っているシーンをスローモーションにしました。
12秒あたりからカワウが映っています。また、4秒あたりには、上部にカワウの嘴が映っており、潜る前に遡上するアユを確認しているのだと思われます。
2016年第1回目の遡上数調査結果
第1回目の遡上調査のカウントが終わりましたので、推定遡上数を報告いたします。
図.遡上数の累計
3月24日と27日で多かったのは牛野谷・八幡の両魚道で共通しており、遡上のパターンは似ているような気がします。
例年同様、大潮の後半2日とその後の中潮前半2日間に大半が遡上しておりました。また、満潮前後1~2時間の間に遡上している様子も例年通りみられました。
3月に調査を行った26年度27年度では、3月中の調査では多くて1万~2万尾程度の遡上しか確認できていないのですが、今年は魚道で約4.8万尾で水路も含めると約6.5尾の遡上があり、過去2年の調査結果と比較するとかなり多くの遡上が確認されています。
全国的には3月中に遡上のピークがある河川もあるようですが、少なくとも錦川では過去4年間の調査では4月の中旬~5月の中旬頃にピークがあるので、4月5月の調査ではさらに多くの遡上が期待されます。
第2回目の遡上調査は4/7~4/13に行いますので、よろしくお願い致します。